脂質異常症とは
脂質異常症は、血液の中に含まれるコレステロールや中性脂肪が基準値から外れてしまう病気です。以前は高脂血症と呼ばれていましたが、コレステロールが高いことだけが問題ではないことが分かってきたため、脂質異常症と呼ぶようになりました。脂質が基準値よりも多くなったり、逆に少なくなったりすると、動脈硬化などのリスクが増えてしまいます。さらに、心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる病気にもかかりやすくなるのです。
脂質異常症を予防するために
- 食べすぎに注意しましょう
- 適切な体重を目指しましょう
- 食物繊維を積極的に摂りましょう
- 食塩を多く含む食品は控えめにしましょう
- 肉類の脂肪は控えめにし、植物や魚介系の脂肪を積極的に摂りましょう
- お酒は控えめにしましょう
- 禁煙するとともに、受動喫煙を回避しましょう
- 日常的に身体を動かすようにしましょう
- 睡眠を十分にとりましょう
※病気治療中の方が運動をされるときは、医師にご相談ください。(病気によっては運動を控えねばならないこともあります)
脂質異常症の治療
基本となるのは食事療法、運動療法、そして必要に応じて薬物療法です。まず、栄養バランスのとれた食生活、適正体重を維持するための適度な運動、禁煙などを目指します。食事療法に関しては、動物性脂肪を含む食品を減らし、植物性脂肪を含む食品を増やします。運動療法では、無理のない軽度の運動を1日30分以上、行うようにしてください。2日に1回以上の運動習慣が理想的といわれています。コレステロール値を低下させるコツは身体の代謝を上げるために筋力を保持、増やすことが重要です。このような食事療法や運動療法でも効果がみられない場合は、コレステロールや中性脂肪を低下させる薬物療法が行われます。
脂質異常症は遺伝性の家族性の場合もありますので、食事・運動療法だけでは治療が難しい場合もあります。コレステロールは高くても症状に乏しいため、徐々に進行するため、糖尿病と同じくサイレント・キラーといわれています。現在は服用しやすい、副作用の少ないさまざまな薬がありますので、お薬についてもお気軽にご相談ください。